冷蔵庫内の気になる温度

最終更新日: 2016/04/23

冷蔵庫内の温度は何度？

意外と知られていない冷蔵庫内の温度、気になる方も多いのではないでしょうか？

冷蔵庫は、保存する食品によってさまざまな部屋に分かれています。特に日本のドアは多ドア化が進んでいます。そして、その部屋ごとに温度が変わります。また、メーカーによっても微妙に温度が変わってくる部屋もあります。

JIS規格では、冷蔵庫の冷蔵室は「室温が15～30℃において、冷蔵室内を0～10℃の範囲で調整ができること」と定められています。

庫内の温度のおおよその目安は下記の通りです。

＜冷蔵室＞

約3～6℃

冷蔵室のドアポケットはどうしても外気に触れる機会が増えるため、温度も上がります。ドアポケット部は約6～9℃くらいが目安です。

＜チルド室＞

約0～2℃

冷蔵室より低く、氷温より高い0℃近くの温度です。
肉や魚、ヨーグルトや生クリームなどの乳製品、かまぼこなどの練り製品、漬物など冷凍には不向きな食材を保存できます。

＜氷温室＞

約－1℃

凍る直前の凍らない状態の温度帯です。
肉や魚、貝類、お刺身などの保存に適しています。（水分の多いものを入れると、凍ることがあります）

＜パーシャル室＞

約－3～－1℃

食材がわずかに凍る微凍結の状態です。
完全には凍らないので、氷が食品の細胞を傷つけることを防ぎます。肉や魚、ハムなどの加工食材などを保存するのに適しています。

＜冷凍室＞

約－20～－18℃

冷凍食材やアイスクリームなどの長期保存が可能な食材を保存します。

＜野菜室＞

約3～8℃

野菜専用のスペース。
果物やドリンク類も保存が可能です。

以上が冷蔵庫内の温度の目安です。

外気の温度や食品を置く場所によって、食品自体の冷え方も変わってきます。
食品の間に隙間をあけると、冷気の通り道ができ、食品がよく冷え、省エネにも繋がります。

冷凍室の温度

食品を保存する際、常温よりも冷蔵庫、冷蔵庫よりも冷凍庫‥と、冷やせば冷やすほど長期保存が出来ることは常識だと思います。
では、冷凍庫内は何故約－20～－18℃程度なのでしょうか。

－18℃の冷凍室と冷凍食品の関係

一般に－15℃以下では微生物は増殖できないと言われています。

そのため、食品衛生法では食品の安全の観点から「冷凍食品は－15℃以下で保存」と規定されています。

また一方で、冷凍食品関連産業協力委員会では、「（冷凍食品を保存する場合）－18℃以下を保持する規定」を制定しています。

－18℃以下で保存する理由は、微生物の増殖を防ぐことに加え、食品の酸化や酵素反応などによる品質変化を抑制し、品質を長期にわたって保持することができるからです。
上記のことをふまえ、
冷凍室は外気の影響も考慮し、約－20～－18℃程度に保たれているのです。
この温度には、「－18℃以下の冷凍庫で温度変化をできるだけ少なくして保存した場合、素材や加工方法等にもよりますが、概ね8ヶ月から24ヶ月間は最初の品質が保たれる」という研究事例もあります。
冷凍室保存は、あくまで増殖を防ぐだけで微生物自体は生きているので、過信はよくありません。

しかし、
－20～－18℃は冷凍保存の目的を果たすのにぴったりな温度なのです。

話題の微凍結とチルド保存

「凍っているのに、包丁がサクッと通り、すぐに調理ができる」「完全に凍らせないから、食品の細胞が壊れない上に水っぽくならない。美味しさ長持ち」というフレーズ、決して嘘ではありません。肉や魚を始めとした食品は、完全に凍らせない方がおいしさを保てます。
しかし、長期保存には向きません。

前述したとおり、－15℃以下で微生物の増殖を防ぎます。つまり、－15℃より高い温度では微生物の繁殖を防ぎきれないのです。

メーカーによってはパーシャル（微凍結）での保存日数の目安が書かれていたりするので、それを参考にしましょう。

すぐに食べるなら微凍結、1週間以上長期にわたって保存するなら冷凍と使い分けが重要です。

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